令和2年が始まりました。中国からの肺炎ウイルス感染の患者が増えているそうです。外出はなるべくマスクをつけて、予防に備えたいですね。
昨年は9月に新宮市、熊野市で、11月には和歌山市と海南市で「2019熊野古道万葉ウオークと公演 徐福」を開催にあたり、多くの方がたに観劇にきていただき、また沢山のご協力をいただきました。有難うございました。
今年も元気で、ウオークに、演劇に、洋裁に、と頑張る所存です。 今年も宜しくお願いいたします。
劇団KCM2月公演のお知らせです。
開催日 令和2年2月2日(日) PM1:00開場 1:30開演
演 目 「MAHOROBA~遥かなる大和の旅~」
場 所 北野上小学校 体育館
脚本・演出 Ri-ya
主 催 北野上人権尊重推進委員会ほか
物語は日本がまだ国としての形のない時代から始まります。波の中の泡のようにドロドロした、ぼんやりとした時代でした。国生み神話として伝わるお話です。
あくまで、神話の世界です。本当かどうかは分かりませんが、私たちのご先祖さまたちが遠い時代から伝えてきたお話です。
以下は『日本書記神代上』より抜粋し、おおまかな解説とさせていただきます。
国常立(くのとこたち)神から神代7代ののちに、伊弉諾命(いざなぎのみこと)と伊弉冉命(いざなみのみこと)の陽陰(男女)の神が誕生します。それまでの神は男でもなく女でもないモノセックスの神でした。
二人の神は天浮橋の上にたち、矛をまわして、その矛の先からしたたり落ちる潮が、固まって一つの島となります。それがオノコロジマで、日本で最初の島でした。
オノコロジマの、み柱をまわり、陽陰の二人の神は淡路洲(あわじしま)、豊秋津洲、伊予二名洲、筑紫洲、隠岐洲と佐渡洲の双子を生みます。次に越洲(こしのしま・北海道)を生み、大洲(おおしま)、吉備子洲(きびこしま)を生みました。これではじめて大八洲国(おおやしまのくに)の名が起こったと言います。
同じ書の別の項によれば、最初に生まれたのは蛭子(ひるこ)であったので、葦船にのせて流した。次に淡洲(あはのしま)を生んだ。この二人は児の数に入らないという。二人は天に帰って、その様子を天の神に奏した。天の神から「女性から声をかけるのは間違っている」と聞き、帰って陽神が左から柱をまわり声をかけた。生まれた島々を大日本豊秋津洲(おおやまととよあきずしま)と名をつけた。そして次々を島を生んだそうです。
写真は伊弉諾命(陽神・鍋島さん)が天の神(池田多美)に逢って、奏上しているところ。
黄泉醜女(よもつしこめ)がイザナギを追いかけます。
次に海を生み、川、山を生みます。次に木の祖(おや)ククノチを生みます。次に草の祖草野姫(かやのひめ)を生みます。
二人は天下(あめのした)の主者を産もうと言って、日の神を生みました。オオヒルメ(天照大神(アマテラスオオミカミ))という。次に月の神、ツクヨミノミコトを生んだ。次の蛭子を生み葦の船でながしました。次に素戔嗚尊(スサノオノミコト)を生みました。
イザナミが火の神カグツチを生む時、火傷をして亡くなくなります。陽神イザナギは妻を恋しく思って、死者のいる黄泉国へ逢いに行きました。(紀伊国の熊野の有馬村の花の窟にイザナミとカグツチの墓があります。)真暗な洞窟の中でイザナミは妻に「帰ってきてほしい」と懇願しますが、妻は「黄泉国の食べ物をを口にしたから帰ることはできない」と言います。それでも諦めようとしない夫に、「それでは、黄泉国の大王に聞いてくるから、ここで待っていてほしい」と言いました。「ただし、決して私の体を見ないと約束してください」と言いました。
「わかった、決して見ない」と約束して待ちますが、いつまでたってもイザナミは帰ってきませんん。ついに我慢できなくなったイザナギは火一つだけ灯します。(夜道の一つ火を灯してはいけないという話がこの時から始まりました。舞台では岩戸に扉を開けるとなっています)。そこに見たのは妻の身体にうじ虫がわきごろごろ音をたてている姿でした。
嫌なものを見たと、イザナギは慌てて帰ろうとします。一方、恥ずかしい姿を見られたイザナミは黄泉醜女(よもつしこめ)の女軍を追わせます。イザナギがふり返りざま唾をはきました。唾には傷をなおす霊力があると古代には信じられていたからです。
唾がキラキラと光って速玉雄命(はやたまのおのみこと)が生まれました。新宮の速玉大社の祭神の誕生です。
今回の舞台はあまり詳しく追及していないのですが、黄泉醜女が追っかけるシーンがあります。
和泉平坂(よもつひらさか)まで来た時、千人所引(ちびき)の大きな岩を置き、イザナギが妻に絶妻誓(ことど)を言い渡します。イザナミが「愛しい私の夫よ、私は貴方の国の人草(人間)を1日、1000人殺すでしょう」と。イザナギはそれに答えて「愛しい私の妹(なにものみこ)よ。私は1日1500人の人草を生ませるでしょう」と言いました。
このあと、イザナギは筑紫の日向の小戸の橘のあはき原に行き、水に入り身を清めます。この時に底筒男命(そこつつおのみこと)、中筒男命、表筒男命など住吉三神が誕生しました。
そのあと、左の眼を洗うと天照大神が、右の眼を洗うと月読尊が、鼻を洗うと素戔嗚尊が誕生します。
天照大神(中央・菊井佳奈)、月読尊(右・和佐裕一郎)、素戔嗚尾尊(川田将也)の三兄弟
素戔嗚尾が悪戯がひどいので天照大神(菊井)が天の岩戸にはいるという。天鈿女があわてて止めようとするが・・(あめのうずめ・前田祐希)
現在っ子のタケルが古代へタイムスリップ?
八つの頭のある八岐大蛇(やまたのおろち・鍋島)も登場です。
なぜかタケルが大蛇にお酒を注いでいます。
月読尊(和佐)と天鈿女命(前田)
天照大神がかくれた岩戸の前で踊りながら大騒ぎをする神々。
現代っこのタケルが故郷に帰り、ミサキと共に体験(?)した歴史のお話です。