斉明4年(659)、熊野古道の藤白坂で謀反の罪をきせられ殺された有間皇子。19歳の若さであった。当時、三韓と唐(中国)がお互いの国土を広げるための戦いを繰り広げていた。百済を助け、日本を有利にしようとする中大兄皇子と、平和を大切に、民の幸せを考える孝徳天皇(有間皇子の父)との間に意見の相違がうまれた。中大兄は孝徳を失脚させ、巧妙な罠で有間の命を奪ったのである。
663年3月、中大兄は百済への応援軍2万7千人を動員、新羅との闘いに臨んだ。8月13日、1万4千人の派兵をおこなった。8月27日、「白村江の戦い」が始まったのである。新羅、唐の連合軍、数十万人。日本軍約4万5千人。日本の史上最大の敗戦となった。
現代、海外各国では核開発、ミサイルなどのニュースが飛び交い、いつ戦争が起きるのかわからない情勢である。戦争のない平和な時代であってほしいという願いは日本国民すべての人の思いであろう。 有間皇子が生きた時代と現代は似ている気がする。平和のために戦うのは間違っている!と気が付いた有間皇子は戦うのをやめて、自らの命をさしだしたのであった。
有間皇子の心はその後の熊野古道のオセッタイの心として、日本人の心の源流として伝わっている。自分が苦しくても困った人を助ける、それが自身の本当の幸せなのだと。
1360年ほど前の、有間皇子からのメッセージをミュージカル公演をとおして、現代に生きる人たちに伝えたい、平和の大切さを伝えたい、そんな思いで公演とウオークを開催します。
10月7日~8日は紀伊万葉ネットワーク主催で「切目・岩代・南部を訪ねて」、11月2日は海南・万葉の会主催で、海南市内の「熊野古道・万葉ウオーク」を、11月3日は、「きのくにの歴史をたずねて」和歌山市内の神社と寺を歩きます。
11月3日、県文小ホールで、来年1月21日、田辺市紀南文化会館で公演します。スタッフ、キャスト募集中です。
【連絡先】℡・fax 073-478-2711 e-mail kiga@silk.plala.or.jp
ニュース和歌山さんに記事掲載していただきました。